○危険運転致死傷罪 刑法第208条の2に新設されその後、同規定は(平成25年11月27日法律第86号)により、同法律に独立して規定されることとなった。
(併合加重の場合最高刑30年の実刑)
本罪は過失犯ではなく故意の危険運転行為を基本犯とする一種の結果的加重犯として、傷害罪ないし傷害致死の類似の罪として規定された。
当初は「四輪以上の自動車」と限定されていたが(平成19年5月23日法律第54号)により「四輪以上の」の文言が削除された結果、原動機付き自転車や自動二輪車を運転して人を死傷させた場合にも危険運転致死傷罪が適用されることになった。

○危険運転に該当するもの
2014年5月に、運転死傷行為処罰法が施行され、危険運転行為が拡大しています。
酩酊運転致死傷罪・・「アルコールや薬物の摂取により、正常な運転ができない
状態で車を走行させる」ことです。

制御困難運転致死傷罪・・制限速度を50km/h以上超えるようなスピード違反で、
また、ドリフトやスピンターンなども含まれます。

未熟運転致死傷罪・・無免許運転が該当、単に運転免許がないだけでは適用されず運転技能を有していないことが条件になります。
免許があってもペーパードライバーは、適用される可能性があります。

妨害運転致死傷罪・・人や車の通行を妨害する目的で、人や車に接近し、
かつ交通の危険を生じさせる速度で車を運転することです。
具体的には、「過度な煽り行為、強引な割り込み、幅寄せ、進路変更」などが考えられます。
なお危険を生じさせる速度の定義は決まっておらず、場合によっては時速20km程度でも該当します。

信号無視運転致死傷罪・・赤信号を無視し、かつ交通の危険を生じさせる速度で車を運転することです。
信号無視には見落としや誤認なども含まれます。

行政上の責任・・行政処分 道路交通法103条
○免許の取り消し・停止・・免許の取り消しとは将来に向かって免許の効力を失わせるもので、停止とは6ヶ月を超えない範囲で免許の効力を失わせるものです。

民事上の責任・・損害賠償責任
○不法行為責任(民法709条)○使用責任(民法715条)○運行共用者責任(自賠法3条)加害者が交通事故によって被害者に与えた損害の賠償をする責任を負いますが、直接事故を起こした運転者に限られるわけではなく、その運転者と一定の関係にある使用人や人身事故の場合には運行共用者も責任を負います。